
この記事を執筆した人
高下真美
- 新卒でインターンシップ紹介・人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社
- 営業・コーディネーター・人事・総務に2年半従事
- その後大手人材会社に転職し、求人広告の年間採用計画を提案する営業として8年勤務
- 大手アパレル、外食チェーン、流通、医療など幅広い業種を担当
- 現在は就職・転職系メディアの記事執筆など、フリーライターとして活動中
目次
転職エージェントを使わなくても困らない人はこんな人

まず最初に、転職エージェントを使わなくても困らない人の特徴についてご紹介します。
以下の項目に当てはまる人は、転職エージェントを使わなくても困らずに転職活動を行えるはずです。
転職エージェントを使わなくても困らない人
- 転職エージェントを使った採用を行なっていない企業に応募する人
- 引き抜きの声が多方面からかかり、その中から検討する人
順番に解説していきます。
転職エージェントを使った採用を行なっていない企業に応募する人
転職エージェントを使った採用を行なっていない企業例
- 採用に予算をあまり使えないような零細企業
- 一部の大手企業
転職エージェントを使った採用を行うと、採用する人材の年収3割程度がコストとしてかかります。
そのため、採用に予算をあまり使えないような零細企業の求人は転職エージェントにありません。そのため、そういった企業を志望している人には、ハローワークでの転職活動をおすすめします。
また、ネームバリューのある一部の大手企業も、転職エージェントを採用に使っていないケースが多いため、求人が転職エージェントにです。
大手企業が採用に転職エージェントを使わない理由として、特にお金をかけて採用を行わなくても、人気が高いため自社採用サイトだけで定員の何倍もの応募が来て、十分な数の採用ができてしまうからです。
ただ、新規事業の立ち上げによる人員補填などのケースでは、競合に内部の動きを知られないよう、転職エージェントを使って極秘に採用を行うこともあります。
そういった大手企業への転職を希望している人、また特定の企業を志望していて、その企業以外に転職する気はないという人は企業の採用HPやSNSをチェックすると良いでしょう。
引き抜きの声が多方面からかかり、その中から検討する人
取引先企業やそれ以外のヘッドハンター、知人が勤めている企業などからの引き抜きの声がかかっていて、その中で転職を検討する予定であれば、転職エージェントを使う必要はありません。
自分の興味や条件に合う企業があれば、短期間で転職活動が終了する可能性が高いです。
最近ではリファラル採用といって、自社社員からの縁故採用を強化している企業も多いため、そういった声がかかることも珍しくありません。
転職エージェントを使わない4つの転職活動

ここでは、転職エージェントを使わない4つの転職活動についてご紹介します。
転職エージェントを使う以外の方法で、転職活動ができる方法をまとめました。
転職エージェントを使わない4つの転職活動
- ハローワーク
- 転職サイト
- 企業への直接応募
- リファラル採用
ハローワーク
まず1つ目はハローワークです。
中堅・中小の優良企業や、都心から離れた場所にある企業の場合、ハローワークで採用ができてしまうことも多く、転職サイトや転職エージェントなどを使わずに済んでいるケースもあります。
ハローワークでは自分の条件に当てはまる企業を調べて応募すれば、面接は必ずしてもらえるという点がメリットです。
ただ、ハローワークでは面接は義務となっているため、採用の意思が低い状態での面接もありうることは理解しておくべきです。
ハローワーク以外の応募であれば、書類選考のレベルで不採用と判断されているようなケースでも面接には行なってもらえるため、その分出向く手間が増え、また面接で不採用となるケースが増えます。
また、転職サイトよりも求人が探しづらい、転職エージェントよりも市況に沿ったリアルなアドバイスが受けられない点は、ハローワークのデメリットとなります。
- 地方都市の中堅・中小の優良企業に転職したい人におすすめ
- 必ず面接をしてもらえるという点は一長一短
転職サイト
転職サイトは、企業が転職エージェントを採用に使うほどの予算が組めない場合や、スキルを求めない時、あるいは大量募集の時に使うケースが多いです。
企業側が転職エージェントで大量募集をしてしまうと、1名につき年収の3割程度となる紹介料を支払わなくてはなりません。
そのため、大量募集の場合などは転職サイトを使って募集するケースが多いのです。
転職サイトを使って転職活動を行う転職者側のメリットは、豊富な求人が数多く載っていること、都合のいい時間に条件を絞って探せるという点です。
逆にデメリットは、膨大な数の求人の中から自分に合う求人を探す手間がかかることと、応募する企業ごとに自分でひとつひとつ応募書類を送るなどのやり取りをしなくてはならないところです。
- 希望条件を絞って探したいひとにおすすめ
- 自分のスキルや希望とマッチする求人を選定できる自信がある人、条件交渉を自分で行える人向き
企業への直接応募
3つ目は企業への直接応募です。今では大抵の企業が、自社のホームページに採用ページを設けています。
そのため、転職サイトやハローワークに載っていなくても、自社ホームページに載っている採用情報を参考に応募することができます。
一般的に使われる手法の転職エージェント・転職サイト・ハローワークなどではなく、企業ホームページに訪れて応募していることは相手にもわかっています。
そのため、その会社に強い興味を持っていることが伝えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
逆にデメリットとしては、応募がない時もあること、また応募があっていたとしても他の手法に比べて載っている情報が少ない傾向にあります。
そのため、働いた時のイメージが湧かない、その会社が求める人材に自分が当てはまっているかわからないなどの問題があります。
したがって、書類や面接の対策をするにも情報が少なく、独自に情報収集を行う必要があるでしょう。
- 転職したい企業がある程度決まっている人向け
- 面接対策の難易度は高め
リファラル採用
4つ目はリファラル(縁故)採用です。最近力を入れている企業も多い採用手法です。
自社にいる社員に対して、自社にマッチしそうな人材がいたら積極的に紹介してほしいとお願いをして採用活動を行います。
自社で既に勤めている人材の知人であれば「類は友を呼ぶ」というように同じような能力や考え方を持っており、採用基準に該当する可能性が高いため、うまくいけば効率よく採用ができるという方法です。
企業によって求める条件が異なるため一概には言えませんが、知人の紹介というだけで、書類選考をスキップできる、他の企業よりも安心して面接に臨める、知人から実情をヒアリングできるなどのメリットがあります。
逆にデメリットとしては、紹介のため断りづらい、給与交渉などがしにくいなどの点があります。
自分には合わないと感じても、「紹介してくれた知人の手前、内定を辞退したいけれど言い出しにくい」など、通常の選考であれば生じない迷いが出てくることもあるでしょう。
また、会社から知人に対する心象を悪くしたくないという思いから、交渉できず不本意な契約を結ぶという事態も起こりかねません。
- 選考中の心理的安全が高いのはメリット
- 知り合いの紹介という状況がデメリットに働く場合もある
以上、ご紹介してきたように転職エージェントを使わなくても、転職活動を行うことできます。
ただ、どの方法にもメリット・デメリットがあり、自分に合っているかどうかによっても状況は変わってきますので、そのあたりをよく踏まえた上で応募媒体は考えていきたいところですね。
転職エージェントを使わないメリット

前の章では転職エージェントを使わない転職活動の方法をご紹介しましたが、ここからは転職エージェントを使わないメリットを解説していきます。
転職エージェントを使わないで転職活動を行うメリットとしては、下記2点があります。
転職エージェントを使わないメリット
- 転職エージェント主導の応募にならない
- 転職エージェント側のルールに沿う必要がない
転職エージェント主導の応募にならない
まずは「転職エージェント主導の応募にならない」というメリットです。
転職エージェントを使った転職活動の場合、転職エージェントから紹介された求人に応募するというのが一般的です。
逆にいうと、転職エージェントから紹介されていない求人にはタッチできない状況となります。
エージェントによっては紹介された求人以外にも自分で応募できる場合もありますが、転職エージェントを使っていると自分で求人を探さなくてもエージェントが紹介してもらえるため、自ら求人を探さなくなるということもあります。
その場合、自分の希望やスキルにマッチした求人を見逃してしまうということが起こり得ます。
というのは、転職エージェントの転職希望者に対する理解度が低かった場合、マッチする求人を紹介してもらえないからです。
転職エージェントは転職のプロですし、転職希望者にマッチする求人を紹介しようとしてくれますが、すべての希望を伝え尽くすことは難しいです。
そのため、転職エージェント相手から提示された求人の中からだけ選ぶ場合、自然と転職先の選択肢が狭まっている可能性があります。
転職エージェントを使用しない場合は、誰のフィルターも通っていないフラットな情報の中から自分に合う求人を選べるメリットがあります。
- よりマッチした求人を紹介してもらうためにも、理解してもらう努力を
- 転職エージェントから紹介してもらった求人だけに偏らないよう、他媒体でも求人をチェック
転職エージェント側のルールに沿う必要がない
転職エージェントを利用して転職活動を行っていると、「応募したものの、やはり面接を辞退したい」「他で内定が決まったので、すべての選考をキャンセルしたい」などの希望が通らないケースがあります。
転職エージェント側も直前に候補者が面接を辞退してしまうと、予定していた候補者より少なくなってしまうため、企業側に迷惑を掛けてしまいます。
そのため応募や選考を受ける意志を見せた場合、辞退するのはNGというルールを設けている場合があるのです。
しかし、転職エージェントを使わずに転職活動を対応している場合は、転職エージェントのルールに縛られることなく、自分の意志に基づいて決定が可能です。
もちろんモラルに違反しない範囲内で行う倫理的な制約はありますが、自分の意思で進退を決められるのはメリットといえるでしょう。
- 選考辞退が発生しないよう、志望度の高い順番に応募していきましょう
- 選考辞退する際は理由をしっかり伝えれば大丈夫です
転職エージェントを使わないデメリット

前の章までは転職エージェントを使わない転職活動のメリットについてご紹介しました。ここからは転職エージェントを使わない転職活動のデメリットについて、ご紹介していきます。
メリット・デメリットを総合的に判断して、転職エージェントを使うか使わないかを決めてみてください。
転職エージェントを使わないデメリット
- 非公開求人に応募できない
- 企業とのやり取り、応募、年収交渉などすべてを自分で行う必要がある
非公開求人に応募できない
転職エージェントを使わない転職活動のデメリット、1つ目は非公開求人に応募できないことです。
言い換えれば、その転職エージェントしか持っていない非公開求人への応募ができるという点が、転職エージェントを使って転職活動を行う最大のメリットになるでしょう。
それぞれの転職エージェントが独自に抱えている非公開求人は、その転職エージェントに登録をしない限り見ることができない情報のため、転職エージェントを使わない=応募ができません。
非公開求人の中に自分にピッタリな企業があるかもしれませんが、それを知ることができません。
非公開になっているということは応募多数では困る、あるいは厳選して採用したい場合などがあります。
非公開求人は優良求人であることも多いため、逃すにはもったいないと感じる人も多いでしょう。
非公開求人が占める割合は8割程度にも及ぶと言われています。
抱えている非公開求人はそれぞれの転職エージェントによって異なるため、できる限り多くの求人に触れるため複数の転職エージェントに登録して転職活動を行う人も多いです。
企業とのやり取り、応募、年収交渉などすべてを自分で行う必要がある
転職エージェントを使わないデメリット、2つ目は転職活動に伴うすべての作業ややり取りを自分で行う必要があるということです。
応募先の選定、応募書類送付、面接日程調整、年収交渉などを行う必要があります。
年収交渉などは、応募者と企業が直接行うよりも、間に第三者が挟まることでうまくいくことも多いです。
また、日程調整などを任せられると、忙しい転職活動中にはとてもありがたいことではないでしょうか。
それらをすべて自分で対応するのは、大きな負担になる場合もあります。
応募先の企業との連絡は、土日休みの企業であれば基本的に平日の日中に来ることになり、現職との兼ね合いで連絡を取ること自体が困難になることも。
現職と並行して転職活動を行う人には、転職エージェントを使うことを強くおすすめします。
転職エージェント使うべき?使わないほうがいい?よくあるQ&A

ここからは転職エージェントを使うか迷っているユーザーが抱えがちな質問にお答えしていきます。
転職エージェントに関するQ&A
- 転職エージェントよりも直接応募の方が有利なの?
- 転職エージェントを使わないことで不利になることはある?
- 利用拒否された場合でも使える転職エージェントはある?
- 転職エージェントを使わない転職活動の注意点は?
転職エージェント経由よりも直接応募の方が有利なの?
直接応募が有利かどうかという点ですが、答えとしては最終的に最後内定者を決める時に有利になる可能性があるといえます。
しかし、これはまったく同じ水準にいる候補者が転職エージェント、直接応募両方から来ていたらという仮定条件の元で、直接応募が有利になる可能性があるということなので、あまり起こりえないことだといえるでしょう。
最終ジャッジの段階ではそうですが、そこに至るまでには選考を突破しなければなりません。
書類添削・推薦状・面接対策などのサポートを受けられることから、総合的に転職エージェントを利用した方が選考を突破しやすくなります。
最終ジャッジの際に有利か不利かよりも、選考を突破することに重きを置いた場合、転職エージェントを使う方が安心です。
転職エージェントを使わないことで不利になることはある?
A:ありません。
答えとしては、応募経路の違いだけが選考に影響することはありません。
ただ、先程の質問にお答えしたように、書類添削・推薦状・面接対策などのサポートを受けて選考に挑めるという点で、転職エージェントを利用しているライバルに差をつけられる可能性があると言えるでしょう。
利用拒否された場合でも使える転職エージェントはある?
A:利用拒否されても使えるエージェントはあります。
答えとしては、利用拒否されても使えるエージェントはあります。
転職エージェントによって紹介できる求人の職種系統が決まっているや、年齢・年収制限があることも多いです。
特に大手の場合は即戦力となるキャリアが必要な求人を抱えているケースが多いため、もし断られてしまった場合は、キャリアを問わないサービスを展開している転職エージェントを利用するのがおすすめです。
キャリアが浅い転職希望者向けに特化している転職エージェントは、普通の転職エージェントに比べて、手厚いサポートを行うことで合格率を上げる工夫をしているため、きっと力になってくれるはずです。
転職エージェントを使わない転職活動の注意点は?
A:転職エージェントを使わない転職活動を行う際の注意点は以下の3つです。
転職エージェントを使わない転職活動を行う際の注意点
- 市場価値を勘違いしていないかをよく見極める
- 転職の目的を改めて書き出す
- 条件を絞り、期間を決めて動き出す
1.市場価値を勘違いしていないかをよく見極める
まずは、自分の市場価値を知ることが重要です。
転職エージェントを使わない場合、自分自身の市場価値を勘違いしていることに気がつきません。
自分は客観的にどのくらいの年収・条件で転職できるのか、他候補者と比較しながら業界での価値を見極めていきましょう。
市場価値を勘違いしているといつまでも受からないですし、逆に安い賃金で雇われてしまう可能性もあります。
2.転職の目的を改めて書き出す
自分1人で転職活動をしていると、当初の転職目的を忘れてきてしまうこともあります。
例えば、現職のある不満を改善するために転職活動を始めたのに、他の好条件に目が眩んで、当初改善したかった部分が改善されそうにない転職先に転職しそうになっているなどのケースです。
転職エージェントを利用していれば、その点を指摘してくれる可能性もありますが、1人の場合はそうはいきません。
当初の転職の目的を見失ってしまい、しばらくして「また転職活動をしなければならない…」ということにもなりかねないため、注意が必要です。
3.条件を絞り、期間を決めて動き出す
転職目的と同様ですが、最初に決めた目的に沿った条件の絞り込みとある程度の転職活動期間を定め、そこからずらさないように注意しましょう。
期間を決めずにスタートするといつまでも決めるきっかけを見つけられずに転職活動が長期化してしまいます。
転職エージェントを利用している場合、最初にどれくらいの期間での転職を考えているかを伝えることで、その期間内に内定がもらえるよう、スケジュールを組んでもらえます。
ですが、そうでない場合は自分自身で管理していく必要があります。
以上の注意点を踏まえて行動すれば、転職エージェントを使わなくてもスムーズに転職活動できる可能性が高まるでしょう。
【体験談】転職エージェント利用の有無は転職活動にどう影響した?
最後に転職エージェントを使わない転職活動と転職エージェントを使った転職活動、両方を経験した人の体験談をご紹介します。
誰もが多くても人生に数回程度しか経験しない転職活動ですから、わからないこと・迷うことがあって当然です。
この方はうまく切り替えることで、短期間のうちに満足度の高い転職ができたようです。
転職エージェントはきっとあなたの転職活動においても心強い味方となってくれるに違いありません。
別の記事では年齢や希望に合わせたおすすめの転職エージェントをご紹介してますので、ぜひあなたにぴったりのエージェントを見つけてみてください。