ニートを抜け出したいけど自信がない…
ニートとは、「総務省がおこなっている労働力調査における、15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方」と厚生労働省が定義しています。 参考:厚生労働省 よくある質問
また、若年無業層とも呼ばれることもあります。
一度ニートになってしまうと、経済的な負担や職歴の空白期間が増えることによる転職の不利など、影響があるのはたしかです。
しかし、ニートになることが悪いわけではありません。以前働いていたならば、気持ちをリフレッシュさせる期間にもなるので落ち着いたらまた、できるだけ早く次のステップに行動をうつしましょう。
ここでは、ニートから脱出するきっかけづくりや現在のニートを取り巻く環境、就職のチャンスに関する情報をじっくりとご紹介いたします。
自信がなくて当たり前なんです
「ニートから抜け出せない……」という状態から、いきなりがらりと生活を変えるのは難しいですよね。
仕事が怖く、社会復帰に対して不安があったり自信がないのは当たり前です。
自信を持てない理由として考えられるのは、過去の失敗を忘れられないことや人と比べてしまうことなどそれぞれです。
自身がなく、なにも行動を起こせないでいると「人生つまらない……」「やることなくなったな……」とネガティブな思考に陥ってしまいます。
では、自信を持つために具体的にどんな行動をとればよいでしょうか。生活を改善する、部屋を掃除してみる、友人に連絡して待ち合わせする……など、日ごろの生活のなかでもできることはたくさんあります。
小さなことでも、なにかひとつひとつ実践したらまた別のことをやってみて行動範囲を広げ経験を増やしていきましょう。
少し気持ちが軽くなるはずです。
そして、少しずつ勇気が湧いてきたら、ハローワークに行ってみたり求人サイトをみたりしてどんな仕事があるのか検索してみましょう。
「これしかできない」「できるだけ暇な仕事がいい」などと道を狭めず、まずは幅広く仕事をみてみるとイメージが膨らんでくるでしょう。
ニートに対する社会の動きや公的支援
「ニートを抜け出す自信がない……」と不安がある方も多いと思いますが、ニートに対する社会の動きは少しずつかわりつつあります。
ニートになる原因は、自立心や忍耐力の欠如など本人の問題として考えられがちですが一概にそうとはいえません。
劣悪な職場環境や人間関係の悪化、家庭環境などを要因として結果的にニートになってしまうという人もいます。
そこで、加速度的に高齢化社会になりつつある今、社会や国、企業全体でニートになってしまった若者を社会復帰に導く責任があるのです。
そして今、社会ではニートに対して社会復帰を促しそのための就労支援に積極的に取り組んでいます。
人生100年時代といわれるこの日本で、若者が健康に安心して暮らすための手助けをしているのです。
その支援の例は、以下のようなものです。
- 学生への就労支援や公平で秩序の保たれた採用活動の実践
- 女性に対するキャリアプランニングの相談や啓発
- 職業的自立のための専門的な職業訓練や紹介、相談
このように、厚生労働省や文部科学省をはじめとして公的な機関が先頭に立ち、ニートの就労をサポートしています。
ニートである本人も、社会的支援を積極的に利用して社会復帰を目指しましょう。
有効求人倍率が高い今が就職のチャンス
2019年4月の有効求人倍率は1.63と1を上回っており、休職者よりも求人数が多く就職に有利な状態です。
そもそも有効求人倍率とは、全国のハローワークに登録されている求人数を求職者数で割り出して導き出された数値のことです。
有効求人倍率は「1」を基準にして考えます。数値が1より大きければ、活発な採用活動がおこなわれている証拠となるのです。
この有効求人倍率は、2014年から増加し近年はほとんど横ばいで推移しています。
参考:一般職業紹介状況(平成31年2月分)について
地域差はありますが、今は全体的に見て就職のチャンスといえるでしょう。
【年代別】ニートの日常と世間一般とのギャップ
ここまで、ニートの現状やニートに対する社会支援などをお伝えいたしましたが、ニートの日常と世間一般の日常はどのような違いがあるのでしょうか。
ニートが必ずしも悪いわけではないですが、働き盛りといえる時期に働くことができないとなると、今後の生活にも大きな影響を及ぼしかねません。
働くことで社会的責任や存在意義、健康で安定した生活を手に入れることができるのですから、特別な理由がないかぎり一日でも早く社会復帰を目指すことが大切です。
ここからは、ニートの日常と比較し世間一般の生活がどのようなものなのかご紹介いたします。
生き生きと豊かな生活を送るためにも、イメージを膨らませながら読んでみてください。
20代
一般的に20代前半で就学を終えて、社会の一員として就労する人が多くいます。
20代のうちは挑戦の機会が与えられ、さまざまな分野や業界に足を踏み入れて経験を積んでいく時期です。
この経験は、のちの社会生活でも大いに役立つスキルとなることもあり、何より豊富な経験によってゆるぎない自信へとかわります。
また、健康で体力もある20代は仕事に打ち込むことができ、その結果収入の安定にもつながります。
収入が安定すれば、結婚や出産など家庭を持つことになる人も多いでしょう。
30代
30代になると、ある分野に精通して仕事に励んでいるという人も多くいます。
20代で得たスキルや学びは誰かに奪われることはありません。
さまざまな場面で活かすことができた結果、管理職など重要な立場に昇格する人もいます。
また、勤務年数や昇格により給与がアップしてすこしずつ余裕が出てくるのもこの時期です。
給与のアップは、精神的な支えやモチベーション向上の柱となり、20代よりも充実した生活を送ることができるようになるのです。
40代
40代になれば、さらに大きなプロジェクトや取引のリーダーを任されるなどで職場の中心的な存在となります。
また、これまでの経験を活かして後輩のサポート役としても頼りになる存在となるのではないでしょうか。
一方生活面では、子供が大きくなり子供の将来を考えるのと同時に、夫婦の生活や老後のことをすこしずつ考え始める時期でもあります。
公私ともに、経験やスキル、知識が豊富になった結果、転職や第二の人生を悩み選択する時期ともいえるでしょう。
就職できるか否かのポイントは「周囲を頼ることができるか」
さて、世間の日常とニートの生活の違いをご紹介しましたが、やはり仕事をしている方が健康で豊かな生活が送ることができると感じてもらえたのではないでしょうか。
しかし、そうは思っていても「どうやって仕事を見つければいいのかわからない……」と悩んでいる人は多いのです。
そこで、就職にたどり着くためのポイントとして知っていただきたいのは「周囲を頼ること」です。
ニートから抜け出せずに悩んでいる人の多くは、周囲を頼ることができない人が多くいます。
しかし、周囲にはあなたの生活を一般させるために力を貸してくれる人がたくさんいるはずです。
それは家族や友人だけではなく、就労支援をしているハローワークなどの公的機関や民間機関などさまざまです。
「仕事が怖いから働かない」「今さら働くなんて無理」なんて思わず、自分のペースでよいのですこしずつアクションを起こしてみましょう。
ここでは、いくつかの就労支援をおこなっている機関をご紹介します。ぜひ、興味を持ったところをインターネットでのぞいてみたり、実際に話をしてみたりしてくださいね。
就職エージェント
就職エージェントとは、ひとりひとり専任のキャリアコンサルタントがつき実際に就職するまでをサポートしてくれるサービスのことです。
就職に関する疑問や知っておくべきマナーなど細やかにアドバイスをしてくれるので、余計な心配をせず安心して面接に臨むことができるのです。
就職エージェントを利用するメリットは、自分が向いている職種や業務内容を分析し自分自身が理解できるという点です。
働きたいと思ってもどんな仕事が向いているのかわからないときもありますが、丁寧なヒアリングと分析によって効率よく就職活動ができます。
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワーク(公共職業安定所)とは各自治体ごとに全国500ヵ所以上設置されている機関で、主に職業紹介をおこなっています。
ハローワークは無料で利用することができ、全国の数多い求人を検索・閲覧することができます。
ハローワークを律利用するメリットは、雇用形態に関わらず幅広い求人を探すことができる点です。
「いきなり正社員として働くのは不安……」という方でも、まずはパートやアルバイトをして生活を立てなおすという理由で、就職活動をスタートしやすいのではないでしょうか。
また、ハローワークは検索や閲覧だけではなくカウンセラーに相談可能なので、気になる求人があればすぐにその場で話を聞いてみることができます。
わかものハローワーク
わかものハローワークとは、正規雇用を目指した若年層に対して職業支援をおこなう機関です。
働き盛りといわれるおおむね45歳未満の人を対象として、全国の求人を探すことができる無料のサービスを提供しています。
※全国に28か所あり 2019/06/13時点
わかものハローワークのメリットは、「若者」に対する徹底したサポートを受けられる点です。
専任の担当者がつき、職業相談から履歴書の作成など、就職までの幅広いアドバイスやサポートを受けることができます。
また、就職後も相談にのってくれたり働いているなかで気になることなどアフターフォローも充実しているため、社会経験の少ない若年層にとっては安心です。