ニートを取り巻く外部環境とは【2019年版】
まずは、ニートを取り巻く社会の動きを見ていきましょう。
8050問題を通してニートの社会復帰を支援する傾向にある
まず注目したいのが、ニートによる事件によって社会全体がニートの社会復帰を支援する傾向にあることです。
もちろんニート全体が危険視されているわけではありませんが、深刻な社会問題になってきています。
それが「8050問題」です。50代の引きこもりを、80代の親が面倒を見ている現象です。
中高年の引きこもり61万3000人。4分の3が男性
2019年の3月に内閣府は40代以上の中高年を対象に調査したところ、「引きこもり状態にある人は、61万人に達する」と発表しました。
厳密にはニートとは定義が異なりますが、仕事をしていないという点では同義です。
そして、中高年の引きこもりのうち、4分の3が男性だというデータがあります。
引きこもってしまった理由で多いのが「病気」「人間関係」に加えて「退職」があります。
日本では男性の方が学歴や職歴を厳しく評価されるため、結果として男性が引きこもる可能性が高いと言われています。
働き手不足がニート脱出の追い風に
2018年の有効求人倍率は1.61倍、つまり求職者1人あたり1.6件の仕事があることになります。
つまり、今の日本は全体的に人材が不足しているのです。
もちろん、どこの企業も簡単に採用してくれるわけではありません。
人手不足が深刻化している中小企業を中心に「ニートの戦力化」に非常に前のめりな取り組みが進んでいます。
現在、“働けるが、スキルやコミュニケーション不足によりニートをしている人”のニーズが高まっているでしょう。
「絶対に働きたくない!」とかたくなに閉ざしているニートに就職支援をするのは難しいです。
しかし、心身ともに健康体でありサポート次第で働けるニートは、企業にとってまさに「埋もれた逸材」と言えるでしょう。
最近は、社会全体でニートの社会復帰を支援していく風潮が見られます。
その方法はさまざまで、ニート採用に特化した人材紹介会社や公的機関による就職支援サービスなどがあります。
この追い風を利用して、積極的に求職していきましょう。
ニートを脱出しようと思ったとき、具体的にはどういったところが支援してくれるのでしょうか。いくつか代表的なサービスを見ていきましょう。
ニートのための公的就職支援や民間サービスの内容とは
生活困窮者自立支援制度 (厚生労働省)
厚生労働省が提供しているのが、生活困窮者自立支援制度です。
働くことのできない人や、住む家がないなど、生活全般に関する悩みなどに対応しています。
サービスの幅が広いため、相談に行けばなにかしらのアドバイスをもらえるでしょう。
提供サービス
- 自立相談支援事業
- 住居確保給付金の支給
- 就労準備支援事業
- 家計相談支援事業
- 就労訓練事業
- 生活困窮世帯の子供の学習支援
- 一時生活支援事業
この中でもニートを脱出するのに役立つのが「就労準備支援事業」と「就労訓練事業」です。
就労準備支援では、他人とコミュニケーションがうまくとれないなど、すぐに働くのが難しい方に半年から1年の間、就労に向けた基礎能力を身に着けるプログラムを受けることができます。
NPO法人ここからねっと(東京都町田市)
地域によってはNPO法人の支援を受けることもできます。
東京都町田市のNPO法人「ここからねっと」では次のような支援を行っています。
支援活動サービス
- 無料相談を行い、一人ひとりの悩みに向き合う「心の窓口」
- 生活困窮から脱却するため、行政の就労支援を受けたい方へのサポート
- 自立に向けての精神的なフォロー
- 緊急的に支援が必要な方に対して、一時的かつ緊急的に物資支援
直接的に転職活動の支援をしてくれるわけではありませんが、転職を成功させるために精神的なフォローが必要な方は活用してみましょう。
かながわ若者就職支援センター(神奈川県)
「かながわ若者就職支援センター」、通称「ジョブカフェ」では39歳まで求職者の就職・転職活動サポートをしています。
具体的には下記のようなサービスを行っています。
支援活動サービス
- 個別キャリアカウンセリング
- グループワーク
- 求人企業との交流イベント
- 職業訓練説明会
- 適職診断
- わかもの就職支援セミナー
- わかもののための地域出張相談
公的サービスですが、民間の転職エージェントと変わらないサービス内容となっています。
キャリア面談や企業の方と話ができるイベントなど、ニート脱出のためのバックアップ体制が充実しています。
ニートを「最短1カ月」で脱出するための4つの方法
ニートを「最短1カ月」で脱出するための4つの方法
- きっかけを意図的に作る
- 小さな成長を積み重ねる
- 生活習慣を改善する
- 転職エージェントを利用する
(1)ニートを脱出するきっかけを意図的に作る
これまでニートや無職、引きこもりになった人のきっかけはさまざまです。
「同じような毎日に嫌気がさしたから」「働くことに疲れたから」など、十人十色です。
逆に言えば、何でもいいのできっかけをつくってみると、現状から脱出できるチャンスに繋がる可能性があります。
この記事を読んでいる方は、「ニートをやめたい」「脱出したい」と思った理由がなにかしらあるはずです。
その理由を忘れないようにメモしておきましょう。
小さなきっかけでも、毎日意識していればアクションを起こすきっかけになります。
(2)小さな成長を積み重ねる
きっかけがあれば、すぐに動ける人は問題ありません。
しかし、きっかけがあっても不安や恐怖で動けずじまいの人も多いでしょう。
いきなり大きなことをしようとして失敗すると、「やっぱり自分にはできない」と自己否定することになりかねません。
そんな方は小さなステップを積み重ねていきましょう。
大きく前進しなくても、まずは「家族に相談する」「求人サイトを開いてみる」といった小さなきっかけで構いません。
小さな行動で自信を積み重ねていけば、いずれ自然と大きな行動も起こせるようになるでしょう。
(3)生活習慣を改善する
ニート脱出のために就職活動と同時に行いたいのが、生活習慣の改善です。
ニートをしている間に夜型の生活になっていた方は、まずは朝の時間帯に起きることからはじめましょう。
1日中家に引きこもっていた方は、散歩やコンビニに行くなどしてきっかけを作って外出してみるとよいでしょう。
なぜ生活習慣の改善が必要かというと、就職した後も働き続ける基礎固めを行うためです。
せっかく就職ができたのに、朝起きられずに遅刻を連発したり、体調を崩していたりすると仕事を続けることができない状況に陥ります。
就職した後のことも考えて、今の自分の生活習慣を見直すしましょう。
(4)就活エージェントを利用する
ニート脱出への一番の近道は就活エージェントへの登録です。
「就活エージェントへの登録」と聞くと、とてもハードルが高いように感じるかもしれません。
しかし、中にはニートのための就活エージェントもあるため、怖がらずに利用してみましょう。
就活エージェントが紹介する企業は、ニートの求職者を積極的に採用しようと取り組んでいるので、必要以上に緊張する必要がありません。
また、ニートのための就活エージェントでは、ブランクがあるニートが安心できるさまざまなサポートをしてくれます。
職歴なしだけど履歴書、職務経歴書はどんなことを書けばいい?
面接でなにを話せばいいの?
このような小さな疑問にも答えてくれますし、面接対策も考えてくれるので安心して転職活動を進められます。
「ニートを脱出したい!でも、なにからはじめたらいいかわからない」という方は、まずは転職エージェントに登録してみましょう。