この記事で話を聞いた人
上司T(管理職経験5年)大手人材会社・M社勤務時代に中間管理職に。マネジメント経験は50名。
趣味は革小物収集。
上司K(管理職経験10年)
大手人材会社・R社勤務を経て、起業。以後、数社で上層管理職として働く。
マネジメント経験は40名超。
目次
相談(1)『仕事にやりがいを感じられないから辞めたい』
社会人になれば1日のうちの大半が仕事の時間になります。そんな中、仕事の内容自体にやりがいを感じられない、達成感が得られないという悩みがあれば、自分が何のために生きているのかわからなくなってしまう人も多いようです。
『仕事にやりがいを感じられないから辞めたい…』と感じ、上司に相談した場合、上司から辛い現状を変えるきっかけをもらえることはあるのでしょうか?
上司の回答『まずはやりがいの明確化から始めよう』
上司T(管理職経験5年)
まず、やりがいが何か?をクリアにします。そして同じ仕事に取り組んでいる先輩として、自分が入社してから見つけてきた仕事のやりがいを伝えてみたいですね。
仕事にやりがいを求めているということは、もともと仕事に対してやる気がある人だと思うので、その前向きさを生かせるように手伝ってあげられたらなと。
でも基本どの仕事にもやりがいは見つけようと思えばあると思っているので、やりがいを感じられていない現状があるのであれば、自分がやりがいを感じられる他の仕事についたほうが、本人のためなのかなという気もします。
上司K(管理職経験10年)
まずは部下にとってのやりがいが何なのか?を明確化することから始めます。同じ仕事内容でも、どこにやりがいを感じるか?は人によって異なります。
それがこれから経験を積んだ先で手に入る確率が高いものであれば、その旨を本人に伝え、指標としてもらえるようにします。その上で、まずは3年やってみて欲しい(現職経験が3年未満なら)と伝えると思います。
また、本人の中で自分にとってのやりがいがまだ固まっていないという場合もあります。その場合は、仕事にやりがいを感じて働いている、少し先輩の社員とのコミュニケーションを取ってみるのもおすすめです。
自分の近い将来像がイメージできることにより、現職においての自分にとってのやりがいが見つけやすくなります。
仕事にやりがいを求める人は多いですが、自分にとってのやりがいが何か?はっきりと言語化できる人は確かに意外と少ないのかもしれません。
また、まだ仕事の経験が浅い場合、自分が求めているやりがい自体が、まだ手に入らない段階にいるということも考えられます。もしそうであれば、やりがいがないと決めつけて今の仕事を辞めてしまうのはもったいないですね。
まず自分が求めているやりがいが何なのか?をクリアにして、近い将来、それが手に入る見込みがあるのか?、上司に相談してみると良いでしょう。
やりがいがないから仕事を辞めたいあなたがするべきこと
- 自分にとってのやりがいが何かをクリアにする
- それが近い将来、手に入るものなのか?を上司に相談する
- 現職では難しいことが分かった場合、転職もアリ
相談(2)『会社の将来性に疑問を感じ仕事を辞めたい…』
『会社の将来性に疑問を感じる』と一口に言っても、会社がやっていることに疑問を感じる・業績が悪化している・業界において会社の成長が見込めない・人手不足などいろいろあると思います。
しかしそのどれもが、個人の力で変えることが難しそうに思えることから、『転職しかない!』という答えに走ってしまいそうになりますね。
『会社に将来性がないから辞めたい…』と感じ、上司に相談した場合、上司から辛い現状を変えるきっかけをもらえることはあるのでしょうか?
上司の回答『自分から見えないところに将来性が隠れている場合もある』
上司T(管理職経験5年)
まずは自分の見解を語ります。 現場からと上からでは当然見えるものも違うので…
部下が会社に将来性を感じられていないという状況は、イコールで上司が説明責任を果たせていないということにもなると思うので、自省するとともに、今後正確に伝えてあげたいと考えます。
上司K(管理職経験10年)
そこを変えるのは正直難しいと感じます…
だけど、経験が浅いゆえに見えないもの・現場にいるからこそ見えないものがあるのは事実なので、『この会社には将来性がない!』と見切りをつける前に、少し上の立場の人との認識のすり合わせを試して欲しいと思っています。
これは自分が人材派遣会社にいた時の経験なんですが、派遣労働者の生活の不安定さが社会的批判の的となったことがあります。そんな中、派遣する側である会社や自分たちが悪者だと勘違いしてしまう若手社員が多かったです。
しかし、事実はそうではないので、そんな時は上司に相談することで解決することができると思います。
現場から見えてる将来性と経営から見えてる将来性は違いますし、現場に降りてきてない部分の話があるかもしれません。まともな上司・仕事を楽しんでそうな先輩とコミュニケーションを取ることで、自分の立っている位置からは見えていないところに、会社の将来性が本当にないのか?を確認してみるといいですね。
会社の将来性は、会社の未来と言い換えることができるかと思います。
現場の一社員が正確に会社全体を把握することはできません。把握できていない状態では、正しい未来を予測することは難しいです。
だからこそ、仕事を辞めるという最終決断に至る前に、自分がいる場所よりも高い場所で仕事をしていて、なおかつ話のわかりそうな上司や先輩に相談してみる価値は十分あります。
もし、『相談したら、逆に先輩や上司から会社に将来性がないことを愚痴られた』『そもそも相談できそうな先輩や上司が1人もいない…』という場合は、真剣に転職を考えるべき時が来ているということなのかもしれません。

将来性がないから仕事を辞めたいあなたがするべきこと
- 自分がいる場所から見えるものがすべてではないことを自覚する
- まともな上司や仕事を楽しんでいる先輩に相談してみる
- 相談してもどこにも将来性が見当たらない場合、転職もアリ
相談(3)『人間関係が悪いから仕事を辞めたい…』
1日のうちの大半の時間を過ごす職場。そんな職場の人間関係が悪ければ、『仕事に行きたくない』『仕事を辞めたい』という気持ちに直結してしまいます。
一言に人間関係が悪いと言っても、自分の気持ち次第ではある程度割り切れる社内のいざこざから、無視できないレベルのものまで幅広いですが、そんな中でも上司からのパワハラ・セクハラはとても深刻な問題です。
『上司からのパワハラ・セクハラが原因で仕事を辞めたい…』と感じ、パワハラ・セクハラをする上司のさらに上司に相談した場合、辛い現状を変えるきっかけをもらえることはあるのでしょうか?
上司の回答『セクハラ・パワハラはしている本人が無自覚なことが多い』
上司T(管理職経験5年)
双方に話を聞き、その程度によっては、人事に相談する(パワハラ・セクハラ上司の移動)、パワハラ・セクハラを行なっている本人へ注意するなど対応します。
しかし、パワハラ・セクハラを報告したことで、報告した本人の立場が悪くなるような会社もあると思います。その場合は根元に社風や文化があり、そこを変えることは難しいと思います。
上司K(管理職経験10年)
程度によりますが、内容によっては事実があれば、人事を巻き込んで解決に向かう可能性はあると思います。
しかし、そこまで大ごとにならずに解決に至るケースの方が多いのではないでしょうか。
パワハラ・セクハラはしている本人(上司)が、自分の言動がパワハラ・セクハラに当たると認識していないことが多いです。パワハラ・セクハラをしている本人に悪気がない場合もあるということです。
その場合はパワハラ・セクハラをしている上司に、さらに上から指摘してあげることで問題が解決する可能性が高いです。
被害を受けている人からすると考えられないかもしれませんが、パワハラ・セクハラをしている上司にその自覚がないというケースも多々あります。
その原因としては、自分が若手の頃に同じようなことを上司からされてきて、それが普通という認識になっている・コミュニケーションの一環という認識で、部下(あなた)が嫌がっているとは思っていなかったなどがあります。
その場合、パワハラ・セクハラをしてくる上司のさらに上司に相談することで、状況が良くなる可能性が高いです。
また、本当に深刻なパワハラ・セクハラの事実がある場合も同様です。その場合は相談する前に、パワハラ・セクハラの事実を証明することができる材料があれば話が早いでしょう。
人間関係が悪いから仕事を辞めたいあなたがするべきこと
- 上司からの言動を不快に感じているという事実を、上司のさらに上司に相談する
- 深刻度が高ければパワハラ・セクハラの事実を証明できる材料を集める
- 相談しても取り合ってもらえない場合、転職もアリ
相談(4)『残業・休日出勤など拘束時間が長いから仕事を辞めたい…』
『仕事だけではなく、プライベートも充実させたい』、ワークライフバランスを重視する人が多くなってきている昨今。その風潮を受け、勤務体制の見直しに積極的な会社も多い一方、残業や休日出勤が多い会社はまだたくさんあるようです。
残業や休日出勤が負担となり、仕事を辞めたいと感じる場合、その背景に自分がさばける以上の仕事を投げられているという実情があるかと思います。
『残業・休日出勤など拘束時間が長いから仕事を辞めたい…』と感じ、上司に相談した場合、辛い現状を変えるきっかけをもらえることはあるのでしょうか?
上司の回答『2方向からアプローチできると思います』
上司T(管理職経験5年)
2つアプローチがあって、ひとつはその人自身で効率化していくような手助けをするというもの。もうひとつはその人の仕事を減らす、つまりその人でなくてもできるような仕事を、他の人に振り分けるというものです。
でも、それがもともと残業体質の会社だったりすると、そういったアプローチ自体が難しいので転職かな? と思います。
上司K(管理職経験10年)
仕事が終わらないことから過剰な残業と休日出勤が生まれている場合、2方向からの解決策があるかと思っています。
まず、個人の能力に対して仕事量が本当に適正なのかをクリアにした上で、過剰であれば調整しますね。
また、仕事が終わらないという原因には、個人の処理能力に問題がある可能性もあるかと思うので、進め方のアドバイスも同時に行うと思います。
過剰な残業・休日出勤は心身ともに大きなストレスとなり、体調を崩す原因ともなり得ます。本人が思っている以上に身体や心は悲鳴をあげている場合も多いため、残業・休日出勤が仕事を辞めたいほどの悩みとなっているなら、今すぐ上司に相談して仕事量の見直しをしてもらった方がいいでしょう。
なお、残業代・休日出勤手当てが支払われずタダ働きが当たり前となっている場合は、上司に相談するよりも転職活動を始めた方が妥当なのかもしれません。

残業・休日出勤など拘束時間が長いから仕事を辞めたいあなたがするべきこと
- 上司に相談し仕事量が適正か確認してもらう
- 進め方を工夫してみる
- タダ働きが当たり前になっている場合、転職もアリ
相談(5)『給与が低いから仕事を辞めたい…』
仕事を続けていると、何かしら仕事に対する不満・悩みが出てくることは良くあります。そんな不満・悩みとうまく付き合っていけるかどうかは、給与に満足できているかどうかが大きく関わってくることが多いでしょう。
今現在自分がしている仕事と、実際に手にしている給与が見合っていないと感じた時、『仕事を辞めたい…』という感情が湧いてくることが多いようです。
『給与が低いから仕事を辞めたい…』と感じ、上司に相談した場合、辛い現状を変えるきっかけをもらえることはあるのでしょうか?
上司の回答『転職活動で自分の市場価値を探ってみるのもひとつの方法』
上司T(管理職経験5年)
本当に給与が低いのか?を判断をするために自分の市場価値を調べてみるといいですね。
また、もともと私が人材会社の経験が長いこともあって、もしその人がその人のキャリアを活かせて、なおかつ給与も上がる可能性がある業界や職種があるならば、転職を勧めることもありました。
上司K(管理職経験10年)
『給与が低い』と感じている背景には『正しい評価を受けていない』という思いがあると思うので、まずは正しい評価を行うためのコミュニーケーションを増やします。
その上で、自分の市場価値を知ることもおすすめするかもしれません。自分のキャリアではいくらくらいの給与が妥当なのか?を知るために、転職活動をしてみるのもひとつの手段ではないかなと思います。
転職エージェントに登録して自分のキャリアをエージェントに伝えると、自分の市場価値を知ることができます。しかし、それはあくまでもそのキャリアでの一般的な給与のため、実際に雇う会社によっては年収に数百万円の差が出ることも珍しくはありません。
『給与が低いから会社を辞めたい…』と悶々と悩みながら仕事を続けるよりも、本当に自分の給与が低いのか?を確かめるため、転職エージェントに登録してみる方が良さそうですね。

給与が低いから仕事を辞めたいあなたがするべきこと
- 正しい評価を受けられるよう上司に相談する
- 今の給与が本当に低いのか?自分の市場価値を知る
- 給与UPのチャンスがあるのか知るために転職活動してみる
上司に相談しても改善しなかったら、転職エージェントに相談してみる
『仕事を辞めたい…』という仕事の悩みを本当に解決したいのならば、家族や身近な人ではなく、上司に相談するべきです。しかし、それでも『上司に相談したけど改善は望めそうにない…』『そもそも親身になってくれそうな上司がいない…』ということはあるでしょう。
あなたはやるべきことをやりました。そんな時は一人で抱え込まず、転職やキャリアのプロに相談することをおすすめします。
これから紹介する転職エージェントは、無料で電話相談や面談を行ってくれるため、客観的なアドバイスがもらえますよ。
転職エージェントの活用法
転職エージェントは、仕事選びや転職をサポートする専門家です。 面談日程の調整や条件交渉、アフターフォローまで、きめ細やかなサポートを期待できます。
現職に悩みや不満があり、辞めようと考えているということを実際の面接で言ってしまうことは基本的にNGですが、同じような問題を抱えた職場に転職してしまわないためにも、転職エージェントには『現職での悩みや不満を解決するために、転職を考えている』と率直に相談した方が良いでしょう。
あなたの事情をエージェントが応募先の会社に情報を漏らすことはないので、安心してくださいね。
他にも、エージェントは会社側とのパイプも持っているため、求人票にはない情報を持っていることも多いです。どんな会社でどんな雰囲気なのか、気になったことは聞いてみましょう。
登録したからといって、必ず転職しなくてはならないわけではありません。 人生相談やカウンセリングを受けるくらいの軽い気持ちで面談に行ってみてください。
利用の流れ
おおまかな流れは以下のとおりです。
転職エージェントの利用の流れ
- キャリア相談(電話・対面)
- 求人紹介
- 応募
まずはじめに、インターネットから基本的な情報を登録し、初回面談を受けます。そこで現状のキャリアや利用の流れの相談ができます。
エージェントによって時間にバラつきはありますが、おおよそ1~2時間程度です。
そしてアドバイザーと話をしながら合いそうな求人をピックアップしていきます。
必ずしも応募しなければいけないというわけではなく、あくまでも他企業のデータを見ながら現状と比較するという感じです。
また、応募書類の添削や面接のロールプレイングなど、転職成功率を高めるためのサポートも期待できます。 転職日交渉や条件の明確化など、内定が決まった後の仲介をお願いすることも可能です。
【属性別】おすすめの転職エージェント
利用の流れがわかったところで、実際におすすめの転職エージェントを紹介します。
選ぶポイントは、自身の属性や今の状況、希望する業界を考えたうえで選択することです。
またエージェントによりサービスの質が異なったり、自身に合う合わないもありますので複数利用してみましょう。
属性 | ||
---|---|---|
1年目 (新卒) 2年目 3年目 |
|
|
2年目 3年目 |
|
|
上の表を参考に、自身に合いそうなエージェントを複数活用することをおすすめします。
『仕事を辞めたい…』と鬱々と悩む日々から抜け出し、『仕事が楽しい!』と心から思える日々を手に入れたいですね。